映画感想 アントニオ・カンボス監督『悪魔はいつもそこに』
戦後の腐敗と暴力にまみれた田舎町。愛する者を守ろうともがく青年の周りで、邪悪な人間たちの思惑が渦を巻く。
私はスパイダーマンのファンである。
今作品はトム・ホランドが主演とのことで興味をもち、鑑賞してみた。
腐敗と暴力にまみれた田舎町というのはぴったりの表現。
登場する人物はほぼ悪人。
そのような中で、トム・ホランド演じるアーヴィン・ラッセルがどのように生きていくのかが肝となるが…。
終わりかたにどのような感想を抱くかは人それぞれだと思うが、私には救いのない終わりかただと感じた。
特に最後のラジオの音声が、さらなる暴力の連鎖を感じさせる。
暴力の連鎖、信仰の負の側面。
その辺りがよく描かれていたように思う。
この状況のなかで何が正解なのかは分からないが、アーヴィンが悪に立ち向かう姿は共感をよぶ。
今の現実世界は悪人ばかりではないが、いないわけではない。
間違っていることに立ち向かう、解決する方法を考える、もしくは影響を受けないところまで逃げる。
これらは大切な力。
そんなことを考えた。