映画感想 庵野秀明・樋口真嗣監督 『シン・ゴジラ』
『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明と『進撃の巨人』シリーズなどの樋口真嗣が総監督と監督を務め、日本発のゴジラとしては初めてフルCGで作られた特撮。現代日本に出現したゴジラが、戦車などからの攻撃をものともせずに暴れる姿を活写する。内閣官房副長官役の長谷川博己、内閣総理大臣補佐官役の竹野内豊、アメリカの大統領特使役の石原さとみほか300名を超えるキャストが豪華集結。不気味に赤く発光するゴジラのビジュアルや、自衛隊の全面協力を得て撮影された迫力あるバトルに期待。
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。
この作品は入社して1,2年たって、いっちょまえに仕事に対してのフラストレーションとかそういうものを抱えた時に観た作品だった。
観賞後、また明日から頑張ろうと思える内容だったのを覚えている。
本作品では、次々と人間の想定を越えてくるゴジラに対して、人が立ち向かう姿が描かれている。
そこには、大規模な組織(政府)故にスムーズにことが運ばない姿が描かれている。
些細なシーンまでうつすことで、きれいなドラマにはなっていない。
そんな描写は、個人的には好きだ。
これはこの人に承認、こっちはあの人に承認を、最終的には社長がOKすれば問題なしといった調整だ。
これは、大きくなった企業などの大きい組織だとよくあることなのではないかと思う。
誰が悪いというわけではないが、これが本当にあるべき姿なのかは疑問を感じるだろう。
そんな状況のなか、矢口蘭堂(長谷川博己)とそのチームはゴジラを倒すために全力で奔走する。
自分のできる限りの力をそそぎ込み、仕事をやりとげようとする姿は胸をあつくする。
刻一刻と進化するゴジラに矢口は勝つことができるのか!?
どのように立ち向かい、どんなプロセスで解決策を考え出していくのか。
現実の課題をうつしながら、あつい人間ドラマも展開されて、とても好きな作品だ。