映画感想 サム・メンデス監督 『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』
「タイタニック」(97)のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演し、ある夫婦の夢や葛藤を描いた人間ドラマ。1950年代アメリカ・コネチカット。郊外の閑静な住宅街に暮らし、子供にも恵まれた理想の夫婦フランクとエイプリル。しかし、2人はマンネリ化する日々に不満を募らせて、次第に溝を深めていく……。監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。
サム・メンデス監督作品が映す閉塞感は少しオーバーかもしれないが、私は共感を覚えてしまう。
何不自由なく暮らせているはずなのに、心は満足せずにまだ見ぬ生活を追い求める二人。
経済的にも安定していて子宝に恵まれ、素敵な住宅に暮らしている。
その側面だけを見ると幸せな家庭。
しかし、2人の心に充足感はない。
これは今を生きる家庭にもあることなのだろうか。
私はまだ家庭を持っていないので分からないが、ここまで激しくはないにせよ、なんとなく少しずつつみかさなっていくものだと想像する。
映画の中でもなぜ二人がここまで心を病んでしまうかの明確な原因はなく、ぼんやりしている。
歯車のようなくだらない仕事、専業主婦の閉塞感、そもそも二人が本当に愛し合っていなかった?。
色々な要因が組合わさってのことなのだろう。
この映画を観て感じたのは、周りに流されずになんとなく生きることの危険さである。
社会が描く幸せな生活が自分にとっても幸せとは限らない。
自分の人生なのだから、自分の頭で考えて生きていきたい。