Koshi’s diary

本・映画・ドラマについて感想を書きます。たまに雑記。

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映画感想 シドニー・シビリア監督『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』

社会から弾き出された学者たちが、合法ドラッグでひと儲けしようとする姿を描いたイタリア製クライムコメディ。1981年生まれの新人監督シドニー・シビリアが、素人犯罪集団を待ち受ける運命を独特の映像センスでテンポ良く活写し、長編デビュー作ながらイタリアでスマッシュヒットを記録した。神経生物学者のピエトロは研究に人生を捧げてきたが、大学から研究費を削減され職を失ってしまう。新しい職も見つからず路頭に迷った彼は、自分の知識を生かして合法ドラッグを製造しようと思いつき、自分と同じく社会から不遇な扱いを受けている経済学、化学、人類学、ラテン語の専門家たちを集めて犯罪集団を結成する。日本では「イタリア映画祭2015」で上映(映画祭上映時タイトル「いつだってやめられる」)。18年、劇場未公開だったイタリア映画を特集する「Viva!イタリア vol.4」(2018年6月23日~ヒューマントラストシネマ有楽町ほか)で劇場公開。

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち : 作品情報 - 映画.com

 

ポスター画像

 

主人公は大学での研究費をもらえなくなった教授。

この映画では、同じような境遇の元教授たちが結集して合法ドラッグを作成して儲けようとする映画である。

ガソリンスタンドや飲食店の皿洗い、工事現場で働いて日銭を稼いでいる教授たちを主人公が誘い、物事は進んでいく。

 

学問軽視の世間を風刺するような印象を受ける。

例えば、主人公のピエトロが研究費をもらうために教授の上司にあたる人?との共同研究を発表していた。しかし、その上司でもその内容を理解できておらず、結局研究費をもらえなくなったのである。

自分が理解できないことを見て見ぬふりをしたら、その発見されたことは存在しなかったものとして永遠に葬られてしまう。

社会としては、学問研究に全くお金を投じないというのは正しくないだろう。むろん、適正な研究がされているかの監視は必要だろうが…。そのバランスが難しいんだろうな。

 

登場する大学教授たちは癖のある男たちで、ださかっこいい。

それぞれの専門分野の知識を活かし、合法ドラッグの販路を拡大していく。

俯瞰をしてみると、このことがすでに学問軽視による弊害を描いているようにも思えた。

 

映画の内容としては、時折コメディ要素やアメリカ映画にあるようなギャング抗争の要素も入って素直に楽しめるものだ。

合法ドラッグの開発と販売で教授たちが得るものは何なのか、逆に失うものは何なのかシーンごとに考えさせてくれる映画だ。

 

イタリア映画を観るのは久しぶりだったので、イタリア語の映画を観るのは新鮮だった。

主人公がギャングのパーティーに参加するときに、『ソウスリャナンデモ キープ・イット・グリージー』と日本語で書かれた門をくぐっていたのだがあれは単なるデザインで作成されたのだろうか?どんな背景があるのか気になった。Tシャツのデザインみたいなもので、文章そのものの意味はないのかな?

 

ここから全部で3部作あるとのことで、残り二部作(いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち、いつだってやめられる 闘う名誉教授たち)も観ていきたいと思う。