Koshi’s diary

本・映画・ドラマについて感想を書きます。たまに雑記。

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映画感想 新海誠監督『天気の子』

高校1年生の夏、帆高は離島から逃げ出して東京に行くが、暮らしに困ってうさんくさいオカルト雑誌のライターの仕事を見つける。雨が降り続くある日、帆高は弟と二人で生活している陽菜という不思議な能力を持つ少女と出会う。

天気の子 - 作品 - Yahoo!映画

 

ポスター画像

 

東京という舞台で描かれる高校生の物語。

私は新海誠監督が描く東京が好きだ。

過去の作品である、『君の名は』や『秒速5センチメートル』でも感じていたことだが今回の作品でも同様の感想を抱いた。

東京を過度にきれいに描いたり、過度に悪く描いたりをしていない。決して世界にこびていないような東京の描き方が好きなのだ。

街の描写もリアルで、そのリアルさがより一層作品に味を添えている。

(過去作品の感想については以下にて記載。)

以降、ネタバレありで感想を書くので閲覧注意。

 

lifevlog.hatenablog.com

 

lifevlog.hatenablog.com

 

新海誠監督はこの作品の結末について賛否両論があるものだと言及している。

私としては今回の終わり方は素晴らしいと思ったのだが皆さんはいかがだろうか。

 

社会全体に悪影響を与えることをわかっていながら一人の人を救うのか、一人を諦めて社会全体に良い影響を与えるべきなのか。

言葉にすると陳腐。

たとえ社会に悪い影響を与えるとしても一人の人を救うべきだという人が多いのではないだろうか。あくまでも推測だけれど。

しかし、実際そのように行動するのには大きな責任が伴うし社会からのバッシングは大きくなるだろう。そのバッシングを受けながらも孤独に闘うことができる人はいるのだろうか。

 

今回の映画では、主人公の穂高陽菜を救うためであれば天気が狂ったままでもいいと断言している。それをするためであれば、阻止してくる大人たちに対して拳銃を向けてまでも抵抗する。この描写には正直違和感を感じる人も多かったのではないだろうか。私もその一人だ。

 

警察官に抵抗するのはわかるけど、お世話になった人たちに対しても拳銃を向けている。冒頭のシーンで拳銃を人に向けることに対しての嫌悪をしっかりと感じているのに、その拳銃を再び手にして、人に向けている。これが正しいふるまいだとは思えないが、覚悟の示し方としてはとても印象的なシーンだった。

 

覚悟をもって自分が正しいと思う道を進む姿に人間らしさを感じる。

社会のことを全く無視してもいいわけではないが、人に対して過剰な負担を強いる社会は絶対正しいわけではない。そのような社会に対してNoと言えるような強さは必要だろう。

 

そんな穂高の姿に感動できた作品だった。