映画感想 矢口史靖監督『サバイバルファミリー』
鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所中で同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も止まってしまい、家族全員途方に暮れる。そこで義之は、東京から出ようと決断し……。
久しぶりに邦画鑑賞。
シンプルに面白かったし、感動した。
私は家族が一致団結する話に弱いのだ。
クレヨンしんちゃんの映画でも泣ける。
ある日電気、ガス、水道というライフラインが一気に止まってしまう。
移動手段である車、電車、飛行機まですべて止まってしまっていて動けないので物資の供給もない。
このまま東京に残っていても供給が尽きて、生活ができなくなっていく。
そして一家は東京を出て、祖父が暮らす九州は鹿児島へと向かうことを決心する。
それも、自転車で。
ライフラインが止まった後の経過日数とともに生活が激変していくさまが面白い。
最初の一日目は、大多数の人が何とか会社や学校へと到着するためにあれやこれや頑張るが会社についても仕事にならず結局何もせずに帰るところはとても滑稽。
なんだか現実にもありえそうでいやになる。
父・義之(小日向文世)のキャラが絶妙で、このキャラがゆえに映画として成り立っているとも言えるくらい。
プライドは高くエラそうな態度をとるが、サバイバルについては無知なのだ。サバイバルのことについて知識がある人は少ないので無知なのは当たり前ではあるのだが、それでもプライドはくずさないし、父親の威厳は保とうと必死だ。
そんな父に対してイライラしていく子供たちや、そんな人だと理解している母のかけあいは見ていて面白い。
それでも子供たちに食べ物を与えるために必死になっていく父親の姿はかっこよくて、私は嗚咽した。
家族って大変なこともあるけど、最終的には誰よりも信頼しあって大事にできる存在でありたい。
あとはサバイバルに関する知識や技術を身に着けたい。
そんなことを思った映画だった。