映画ネタバレ感想 ブレット・へイリー監督『最高に素晴らしいこと』
心にそれぞれ痛みを抱える2人の高校生が、インディアナ州の名所をめぐる学校の課題に取り組む中で、癒しに満ちた時間をともに過ごし、深いきずなで結ばれていく。
とても悲しい結末だった。
結末から話してしまうけど、ヴァイオレットを救ったフィンチが最終的に自殺をしてしまう。
僕としてはフィンチが自殺に至るまで追い込まれているようには見えなくて、本当に突然感がすごかった。
そして、そのあとの喪失感がなんともいえない。
姉を交通事故で失ったヴァイオレットを、細やかなやさしさや一歩踏み込む勇気を兼ね備えた形で心をほぐしていったフィンチ。
父親からの暴力を受けていた過去や、情緒が不安定で嫌なことを言ってくる同級生につい殴りかかってしまったりした自分に嫌気がさしたのだろうか。
僕の周りでは自殺をした友人はいない。
特に親しくしていなかった同級生が自殺したことはある。
友達の友達が自殺したことを、聞いたことがある。
その話を聞く限り、『本当に突然で今でも信じられない。今でもあれは嘘だよーと言って出てきてもおかしくないと思える。』と言っていた。
その話を聞いて、僕は心が締め付けられた。
この映画を観て、あまりにも唐突すぎて不自然だと思えたが、事実は小説よりも奇なりという通り、本当の人の心は全く読めない。
自分の大切な人たちの心でさえ、救いきれないことがあるんだろう。
そして自分自身の心だって、本当は理解できていないのかもしれない。
大切な人や、自分の心が何かおかしいと思ったら、一歩踏み込んで話を聞いてみよう、話をしてみよう。
この世界から自殺者が一人でも減りますように。