映画ネタバレ感想 ロブ・バーネット監督『思いやりのススメ』
行きたい場所を巡る当てもない旅で2人が得たものは、生きていく希望とかけがえのない友情。体が不自由な青年と、心に傷を負う介護士が織りなす涙と笑いの物語。
原題は『The Fundamentals of Caring』
原題の方がしっくりくる。なんとなく。
英語と日本語の言語的な構造的な問題なのかなんなのか。
この映画は全てにおいて心地いい映画だった。
93分という比較的短い時間でストーリーは完結し、複雑な展開もないし、ストーリーの流れも割とシンプルだし、描写もわかりやすい、そしてところどころ笑いどころもある。
日々の生活に疲れてしまったときには、ぜひおすすめしたい作品だ。
特に印象に残っているのは、冒頭に介護士向けの研修で出てくる『ALOHA』という言葉。
介護士として働く際に、必要なこととして挙げられていたのが以下の内容だった。
A:Ask
L:Listening
O:Observe
H:Help
A:Ask again
それ以上でもそれ以下でもない。
介護士向けの研修で話をされていた内容ではあるが、身近な周りの人たちとかかわっていく中でもとても大切な言葉だなと実感。
そして、それ以上でもそれ以下でもないという言葉も心にしみる。この言葉がないと、負担がかかりすぎて、結局うまくいかないこともあるんだろうなと想像する。
尋ねて、聞いて、観察して、手助けして、また尋ねる。
その繰り返しを丁寧に日々をおくること、そんなことをまた意識して生活をしていければと思わせてくれた素敵な映画でした。