映画ネタバレ感想 アニーシュ・チャガンティ監督『search/サーチ』
忽然と姿を消した16歳の女子高生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まる。家出なのか、誘拐なのかわからないまま37時間が経過。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。インスタグラム、フェイスブック、ツイッター・・・。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿があったーー。
今更ながら鑑賞。
サスペンス映画だが、インターネットでつながる現代ならではの要素が中心で展開されるストーリーは新しい。
この形のサスペンスの草分け的な作品の一つになると思うのだが、他にこういった作品はあっただろうか。パッと思いつかない。
ストーリー展開自体がものすごい凝っていたり、謎ときが奥深いものではないが、PC画面を見ているような形で描き切っている点と、インターネットを起点にわかる人間関係の希薄さのようなものが見ていて共感を呼ぶ。
自分は家族のことをどれだけ本当に知ることができているのだろうか。
自分が知らない一面がSNSでは展開されていると知った時、自分はどのような気持ちになるのだろうか。そんなことを考えさせられた。
家族であっても100%その人を知ることはできないだろうっていうのは分かっているつもりだけど、その人を大切に思う気持ちが強いほど複雑な心境になるのだろう。
娘が行方不明になって、必死に娘のことを調査する父親。
そんな中で、自分が知らなかった娘の学校の様子や人間関係が明らかになっていく。
自分が娘の気持ちを理解して、接していてあげられていなかったことも同時に理解する。
人と接する時には自分なりの正解をもって接するしかないと思うのだが、相手はどう思っているのかはなかなかわからない。本当はこうして欲しいって相手に言える人はきっと少ないだろうから、より問題は複雑だ。
ましてや家族をもつとなった場合は、生涯をともにすることになるのだから、そのあたりのコミュニケーションや関係性を築き上げるのはとても大切なことになるのだろう。
映画の感想からそれたけど、そんな風に色々考えさせられる良い映画でした。