ネタバレ映画感想 細田守監督『未来のミライ』
今更ながら鑑賞。
細田守監督作品は好きで一通り見ていて、その中のいくつかの作品では繰り返し見ているような作品もある。
そんな中でもずっと観ていなかったのがこちらの未来のミライだったが、Netflixで観れるようになっていたので鑑賞した。
ずっと鑑賞していなかったのが、評価があまりよくなく、気乗りしなかったというのが理由だ。そのため、期待値はとても低い状態で観たのだが、普通に面白かった。
確かに設定がよくわからないので、そういった意味では物語の世界観には入りずらいような作品ではあったと思う。過去や未来に行き来できる世界観というのは分かるのだが、飼い犬が人の姿で現れたり現実世界ではない別の世界に行くシーンがあり、なんでもありな感じがした。飼い犬の擬人化や、異世界のような東京駅?のシーンはストーリーのために無理くり入れ込めた感じが否めない。鑑賞者の中には、そこで置いていかれる人も多かったのではないかと思う。
時をかける少女でタイムリープものをしていたので、それだけにしたくなかったとかあるのだろうか。時をかける少女は短い期間でのタイムリープで、恋愛や友人関係が主題だったので、それとは異なる描き方ができていたようには思う。未来のミライでは、ひいじいちゃんが生きているときや母親が子供の頃など、自分が生きていない場面に訪れることができているし、家族が主題であった。
ひいじいちゃんが、ひいばあちゃんに対して、かけっこで勝ったら付き合ってほしいとした場面で、そこでひいじいちゃんが勝っていなかったらひ孫である自分たちはいないというシーンがあるのだが、そういった運命感を伝えるようなシーンは印象的だった。
くんちゃんが未来ちゃんの、兄としての自覚が芽生える異世界でのシーンなど無理くり感は否めないが、それを踏まえても面白い作品だった。
家族で観たりしたら、より面白いのではないだろうか。