映画感想 デニス・ホッパー監督『イージー★ライダー』
マリファナ密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたアメリカン・ニュー・シネマの代名詞的作品。元々は馬をバイクに乗り換えた現代の西部劇を目指して創られた作品だが、そこで描き出されたのはドラッグ・カルチャー、余所者への強烈な排他性、そして名ばかりの“自由”という現代のアメリカであった。
こんな悲しい終わり方ってあるかい?
鑑賞後、心にぽっかりと穴が開いた感覚。
謝肉祭へ行くためにアメリカをハーレーダビッドソンで走る男二人のロードムービー。
アメリカの大自然を音楽とともに、バイクで駆け抜ける映像は雰囲気が抜群だ。
途中途中で、田舎で暮らす一家の家でご飯を食べたり、同じヒッピーの集まる家にお世話になったり、人々との交流も映される。少し退廃的にも映るけど、優しい世界でいい場面が続く。
しかし、道を進んでいくにしたがって暗雲が立ち込めていく。たまたま店に居合わせた保守派の人たちが、ワイアットとビリーに対して暴言を吐くのだ。彼らがヒッピーの風貌をしているからというだけで、汚い暴言で罵る。彼らが何か悪いことをしたわけではなく、長髪というだけで暴言を吐く保守派の人が異常に映る。
途中までは素敵な雰囲気ののんびりとしたロードムービーだったからこそ、心がざわつく。特にワイアットを演じたピーター・フォンダの、言葉少ないながらも視線や笑顔で人と交流する姿は男から見てもかっこよくやさしさを感じるものだった。
ドラッグのシーンは独特の映像、サイケデリックな雰囲気の演出がされていた。
私はヒッピーだからってお気楽な人生を歩んできたわけではないぜ、というような悲惨な人生を感じたのだが、皆さんはどう感じただろうか。いろんな感じ方がありそうだ。(苦手な人は苦手な描写)
素敵な劇中歌がたくさん流れていたので、とりあえず劇中で使用されていた音楽たちを探して聞いてみよう。
あとはピーター・フォンダのような優しい視線と笑顔で人と交流できるように精進していきたい。