Koshi’s diary

本・映画・ドラマについて感想を書きます。たまに雑記。

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2020-01-01から1年間の記事一覧

映画感想 矢口史靖監督『サバイバルファミリー』

鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所中で同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も…

映画感想 オリビア・ワイルド監督『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

親友同士で成績優秀な女子高生エイミー(ケイトリン・デヴァー)とモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は、卒業式前日、遊び放題だったクラスメートがレベルの高い進路を決めていることを知って衝撃を受ける。二人は勉強一筋で青春を犠牲にしてきたことを後悔…

映画感想 ジョージ・クルーニー監督『ミッドナイト・スカイ』

孤独な科学者オーガスティン(ジョージ・クルーニー) は、地球滅亡の日がすぐそこまで迫っているというのに、北極から動こうとしなかった。一方、宇宙船の乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)は、任務終了にともなって地球に帰還しようとしていた。そんな…

映画感想 アン・リー監督『ジェミニマン』

腕利きのスナイパーとして、その名をとどろかせるヘンリー(ウィル・スミス)は、政府からのミッションに臨むが、正体不明の人物から襲撃を受ける。自分の動きや考えを見越しているだけでなく、バイクを使った武術を繰り出す襲撃者にヘンリーは苦戦を強いられ…

映画感想 武正晴監督『アンダードッグ』

「百円の恋」の武正晴監督が、森山未來、北村匠海、勝地涼をキャストに迎えたボクシング映画の前編。プロボクサーの末永晃はかつて掴みかけたチャンピオンの夢を諦めきれず、現在も“咬ませ犬”としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々を送っていた…

雑記 『何の意味もないけど書きたくなったから書く』

批評家ってすごい。 相当な自信と自我、他者の意見を全く気にしない意志の強さが必要なのではないだろうか。 私は本ブログで映画や本の感想を好き勝手に述べているが、クリエイターの方々への畏敬の念は耐えない。 作り手である彼ら彼女らは、あらゆる苦難を…

映画感想 カーティス・ハンソン監督『8 Mile』

1995年、デトロイト。中産階級の白人が多く住む郊外とは“8マイルロード”で分断され、貧困層が多数を占める都市中心部。ジミーはここで無職の母と幼い妹の3人でトレイラー・ハウスに暮らしていた。彼は昼間プレス工場で働き、夜はヒップホップ・クラブ“シェル…

映画感想 フェデ・アルバレス監督『蜘蛛の巣を払う女』

凍てつく冬が訪れたストックホルムで、天才ハッカーのリスベット(クレア・フォイ)に、人工知能研究の権威バルデル博士から依頼が舞い込む。 その内容は、彼自身が開発した核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局から取り戻すというもの。彼女の能力からす…

読書感想 三島由紀夫『金閣寺』

「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。…

読書感想 村上春樹『風の歌を聴け』

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快な…

映画感想 武正晴監督『百円の恋』

32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)…

ショートアニメ 『愛してるって言っておくね』

学校で起こった銃乱射事件という悲劇のなかに取り残された両親にとって、今は思い出がすべて。 If Anything Happens I Love You | Netflix Official Site 12分ほどのショートアニメ。 白黒がベースとなったアニメーションで描かれている。 作品中に言葉とし…

ドラマ感想 『エミリー、パリへ行く』

パリのオフィスに着任し、積極的にアイデアを提案するエミリー。だが、フランス語を話せないせいで無礼な奴だと思われて、同僚と打ち解けられない。 Emily in Paris | Netflix Official Site 女性向けに作られたドラマという印象。 夢見るティーンエージャー…

映画感想 レタ・ガーウィグ監督『レディ・バード』

レディ・バードと名乗り、周囲にもそう呼ばせているクリスティン(シアーシャ・ローナン)。高校生最後の年に看護師の母マリオン(ローリー・メトカーフ)と進学先を決めるために大学見学に行くが、帰りの車中で地元のカリフォルニア州サクラメントから離れ…

読書感想 村上龍『すべての男は消耗品である』

村上龍は考える。恋愛について、男(女)について。なぜ男は元気を失ったのだろう。なぜ女たちは輝いているのか。幻想の時代を生きる男(女)たちへ、“快楽主義的”恋愛論。(山田詠美/大槻ケンジ) すべての男は消耗品である (角川文庫) | 村上 龍 |本 | 通…

読書感想 三島由紀夫『若きサムライのために』

男の生活と肉体は、危機に向って絶えず振りしぼられた弓のように緊張していなければならない―。平和ボケと現状肯定に寝そべる世相を蔑し、ニセ文化人の「お茶漬ナショナリズム」を罵り、死を賭す覚悟なき学生運動に揺れる学園を「動物園」と皮肉る、挑発と警…

映画感想 エドガー・ライト監督『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン』

ロンドンのエリート警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)。優秀すぎるという理由で、田舎の村へと強制左遷。そこでも張り切るエンジェルだが、アクション映画好きで、どんくさいバターマン(ニック・フロスト)と相棒を組まされる。ある日、村で怪…

映画感想 吉田大八監督『紙の月』

バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年…

映画感想 リチャード・カーティス監督『アバウト・タイム 愛おしい時間について』

自分に自信がなく恋人のいないティム(ドーナル・グリーソン)は21歳の誕生日に、父親(ビル・ナイ)から一家の男たちにはタイムトラベル能力があることを告げられる。恋人を得るため張り切ってタイムトラベルを繰り返すティムは、やがて魅力的な女性メアリ…

読書感想 村上龍『2days 4girls』

心が壊れて捨てられた女たちを預かり、「オーバーホール」することがわたしの仕事だ。そして今、一人の女を捜して、広大な庭園をさまよっている。「明日からここに住みます」というメモを残してその人は姿を消した。彼女を譲り受けた頃、わたしには他に三人…

映画感想 スティーブン・ソダーバーグ監督 『アウト・オブ・サイト』

エルモア・レナードの手による小説を、スティーブン・ソダーバーグ監督が見事に料理したクライム・ムービー。一世一代の強盗計画を企てる詐欺師のジャックと、一目見た時から彼に惹かれながらも追跡を続ける女捜査官・カレン。二人は微妙な関係のまま、危険…

ドキュメンタリー 『性をダイジェスト』

生物学的観点から見るときめきのメカニズムから、避妊の歴史にいたるまで、性に関するあれこれをひも解く楽しくてためになるシリーズ。 Sex, Explained | Netflix Official Site 学校の保健体育の事業で性について学ぶ機会はあったけど、正直何のための知識…

読書感想 三島由紀夫『不道徳教育講座』

大いにウソをつくべし、弱い者をいじめるべし、痴漢を歓迎すべし等々、世の良識家たちの度肝を抜く不道徳のススメ。西鶴の『本朝二十不孝』に倣い、逆説的レトリックで展開するエッセイ集、現代倫理のパロディ。 不道徳教育講座 三島 由紀夫:文庫 | KADOKAW…

ドラマ感想『クイーンズ・ギャンビット』

20201シーズン社会派TVヒューマンドラマ. 1950年代の児童養護施設で、人並外れたチェスの才能を開花させた少女は、依存症に苦しみながら、想像もしていなかった華やかなスターへの道を歩いていく。 The Queen's Gambit | Netflix Official Site 1話が約60分…

映画感想 ティム・ニーヴス監督『ブルー・ワールド 命の水を求めて』

水の再利用からエネルギー生成まで。未来に向けて持続可能な水環境を実現すべく、世界5大陸の変革者たちが生み出した革新的な技術に迫るドキュメンタリー。 Brave Blue World: Racing to Solve Our Water Crisis | Netflix 世界各国の水にかかわる事情やその…

映画感想 スパイク・ジョーンズ監督『her 世界でひとつの彼女』

近未来のロサンゼルスで、セオドア(ホアキン・フェニックス)は相手に代わって思いのたけを手紙にしたためる代筆ライターをしていた。長きにわたり共に生活してきた妻キャサリン(ルーニー・マーラ)と別れ、悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OSサマ…

映画感想 デニス・ホッパー監督『イージー★ライダー』

マリファナ密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたアメリカン・ニュー・シネマの代名詞的作品。元々は馬をバイクに乗り換えた現代の西部劇を目指して創られた作品だが、そこで描き出された…

映画感想 クエンティン・タランティーノ監督『イングロリアス・バスターズ』

1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の…

映画感想  ジャレッド・コーン監督『密の宮殿』

ミシェルは、父親が経営する会社の重役として働くキャリア・ウーマン。離婚して、豪華な邸宅で娘と2人暮らし。セレブな生活を送る彼女だが、心の中では刺激的な恋人との出逢いを求め、熟れた肉体を持て余していた。そんな彼女の前に表れた、ライアンという男…

映画感想 マーティン・ブレスト監督『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』

気難しく人間嫌いな全盲の退役軍人と、心優しいエリート寄宿学校の苦学生との年齢差を越えた友情を描き出した感動作。A・パチーノの熱演(七度目のノミネートにして遂にアカデミー主演賞受賞)やC・オドネルのさわやかな演技は言うに及ばないが、男同士の奇…