映画ネタバレ感想 アンソニー・ラマス監督『ホテル・ムンバイ』
実話に基づいて作成された作品。
インドの五つ星ホテルに武装集団が突然現れて無差別に人を殺していく。
そんな状況の中で、ホテルの従業員や宿泊客が逃げ惑う様子が描かれている。
映画の随所に格差社会の描写が描かれている。
ホテルのマネージャーと従業員の関係性があまりにも上下関係として隔たっているようであったり、子供を持つ親であってもホテルの従業員として働く男性とホテルに宿泊客として訪れている男性では、その扱われ方に雲泥の差がある。
武装集団がなぜテロ行為に及んだのかの背景は詳細には描かれていないが、そういった格差社会で搾取されているということを背景に行われているようだ。
なんの躊躇もなく次々に人が殺されていくシーンは無残である。
ホテルのマネージャーや従業員、宿泊客という関係性も武装集団が表れて次々と人が殺されている状況下では崩壊してもおかしくはないと思うのだが、このホテルの従業員はあくまでも宿泊客のことを考えて行動している。
プロフェッショナルといえば、それまでなのかもしれないが、極限の状況下でプロとして行動できるのは称賛に値するだろう。
展開やリアルな映像描写含め、久しぶりに良い映画を観たという感想を抱いた。
ホテルはこの事件後、営業を再開したようだ。そして、このテロ行為の首謀者はまだ捕まっていないらしい。